ボードゲーム制作のスケジュール管理術 - イベント出展までの逆算計画

「ゲームマーケットに間に合わなかった…」
「駒の納期を見誤って、イベント2週間前に慌てて発注…」
「印刷所が混んでいて、納品が間に合わない…」
こうした失敗は、同人ボードゲーム制作でよく起こります。
この記事では、イベント出展から逆算してスケジュールを組む方法を解説します。駒の発注タイミング、デザイン修正期間、印刷・製本の納期を考慮した現実的なタイムラインをご紹介します。
- イベントまでの全体スケジュール
- 駒製造の所要期間(デザイン→製造→配送)
- 各工程のバッファの取り方
- スケジュール管理のチェックリスト
- 遅延リスクと対策
- 実際のスケジュール例(3ヶ月前からの計画)
イベントまでの全体スケジュール
ボードゲーム制作には、企画からイベント出展まで、最低でも3〜4ヶ月の期間が必要です。
理想は6ヶ月前から準備を開始することですが、初めての制作で時間が限られている場合は、3ヶ月前からでも間に合わせることができます。
全体の流れ(6ヶ月計画)
6ヶ月前:企画・ルール設計
ゲームのコンセプト、ルール、バランス調整を行います。テストプレイを繰り返し、面白さを確認します。
所要期間:1〜2ヶ月
4ヶ月前:デザイン・グラフィック制作
ボードのデザイン、カードのイラスト、駒の3Dモデル、説明書のレイアウトを作成します。
所要期間:1〜2ヶ月
2〜3ヶ月前:見積もり・発注
各パーツの製造業者に見積もりを依頼し、発注します。駒は2〜3週間、印刷物は1〜2週間が納期の目安です。
所要期間:2〜4週間
1〜2ヶ月前:製造期間
各パーツが製造されます。
所要期間:2〜4週間
1ヶ月前:納品・検品・組み立て
納品された各パーツを検品し、1ゲームずつ組み立てます。
所要期間:1〜2週間
2週間前:最終テストプレイ・梱包
完成品で最終テストプレイを行い、イベント用の梱包を行います。
所要期間:1週間
イベント当日
万全の準備で臨みます。
駒製造の所要期間(デザイン→製造→配送)
駒の製造は、最も時間がかかるパーツの一つです。デザイン確定から納品まで、以下の期間が必要です。
駒製造の全工程
工程 | 所要期間 | 備考 |
---|---|---|
デザイン作成(参考画像準備) | 1〜2週間 | イラストや参考写真を用意 |
業者への見積もり依頼 | 2〜3日 | 複数業者に見積もり依頼 |
3Dモデリング・デザイン確定 | 1週間 | 業者がモデリング、デザイン案提出 |
デザイン修正(2回まで) | 3〜7日 | 修正内容により変動 |
製造期間(3Dプリント) | 1〜2週間 | 個数により変動(100〜200個程度) |
配送期間 | 2〜5日 | 配送方法により変動 |
合計所要期間:3〜5週間
ゲームマーケット直前の時期(イベント1〜2ヶ月前)は、業者が混雑するため、通常より納期が長くなることがあります。最低でもイベントの2ヶ月前には発注を完了させることをおすすめします。
各工程のバッファの取り方
スケジュールを組む際は、必ず「バッファ(余裕期間)」を設けましょう。想定外のトラブルが発生しても、余裕があれば対応できます。
バッファが必要な理由
- デザイン修正が予想以上に時間がかかる
- 業者の納期が遅れる
- 配送トラブル(遅配、破損など)
- 検品で不良品が見つかり、再発注が必要
- テストプレイでルールの修正が必要になる
各工程のバッファ目安
工程 | 通常期間 | バッファ | 合計 |
---|---|---|---|
デザイン・グラフィック制作 | 1ヶ月 | 1週間 | 5週間 |
駒の製造 | 3週間 | 1週間 | 4週間 |
印刷・製本 | 1〜2週間 | 3〜5日 | 2.5週間 |
組み立て・検品 | 1週間 | 3日 | 10日 |
スケジュール管理のチェックリスト
- ゲームのコンセプトとルールは確定したか
- テストプレイを3回以上実施したか
- 駒のサイズと個数は決定したか
- ボード・カードのデザイン案は完成したか
- 駒の参考画像・イラストは準備したか
- 製造業者の候補をリストアップしたか
- 複数の業者に見積もりを依頼したか
- 駒のデザインは確定したか
- 発注は完了したか
- 納期は確認したか
- すべてのパーツは納品されたか
- 検品は完了したか(不良品の確認)
- 1ゲーム分の組み立てテストは完了したか
- すべてのゲームの組み立ては完了したか
- 最終テストプレイは完了したか
- イベント用の梱包は完了したか
- 価格表・POPは準備したか
遅延リスクと対策
リスク1:駒の納期遅延
対策:
- 発注時に納期を明確に確認する
- 繁忙期(イベント1〜2ヶ月前)を避ける
- 小ロット対応の業者を選ぶ(追加発注がしやすい)
リスク2:デザイン修正の回数超過
対策:
- 参考画像を詳細に用意する
- サイズ・形状を数値で明確に指定する
- 初回デザイン案で細部まで確認する
リスク3:印刷所の混雑
対策:
- イベント直前は印刷所が混雑するため、早めに発注
- 納期に余裕を持たせる(1週間のバッファ)
実際のスケジュール例(3ヶ月前からの計画)
時間が限られている場合、3ヶ月前から準備を始める場合のスケジュール例です。
前提条件
- イベント日:11月15日(ゲームマーケット)
- ルールとコンセプトは確定済み
- デザイン案は80%完成
スケジュール
8月15日(3ヶ月前):デザイン最終確認
ボード、カード、駒のデザインを最終確認し、修正箇所をリストアップします。
8月22日(2.5ヶ月前):見積もり依頼
駒、印刷物の業者に見積もり依頼を送ります。複数業者に依頼し、比較検討します。
9月1日(2.5ヶ月前):駒の発注
駒の業者を決定し、発注します。デザイン確定までのやり取りを開始します。
9月8日(2ヶ月前):印刷物の発注
ボード、カード、説明書を印刷所に発注します。
9月25日(1.5ヶ月前):駒の納品
駒が納品されます。検品を行い、不良品がないか確認します。
10月5日(1ヶ月前):印刷物の納品
ボード、カード、説明書が納品されます。検品を行います。
10月10日(1ヶ月前):組み立て開始
1ゲームずつ組み立てを開始します。100ゲーム分の組み立てには1週間程度かかります。
10月20日(3週間前):組み立て完了
すべてのゲームの組み立てが完了します。
10月25日(3週間前):最終テストプレイ
完成品で最終テストプレイを行い、ルールブックの誤字脱字、駒の不具合などを確認します。
11月1日(2週間前):梱包・準備完了
イベント用の梱包、価格表・POPの作成を完了します。
11月15日:ゲームマーケット出展
万全の準備で臨みます。
スケジュール通りに進めるために
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イベントスケジュールに合わせた製造が可能です。
✅ 最短2週間で納品可能
✅ 納期相談OK
✅ デザイン修正2回無料
まとめ:逆算計画で余裕を持ったスケジュールを
ボードゲーム制作のスケジュール管理で最も重要なのは、イベント日から逆算して、各工程の期間を確保することです。
成功のポイント:
- 最低でも3ヶ月前から準備を始める(理想は6ヶ月前)
- 各工程にバッファ(余裕期間)を設ける
- 駒の発注は2ヶ月前までに完了させる
- 繁忙期(イベント1〜2ヶ月前)を避ける
- チェックリストで進捗を確認する
余裕を持ったスケジュールで、安心してイベント当日を迎えましょう。